ふわーっとした暖かい陽射しに誘われて、わが町の未だ見知らぬ道を歩いてみました。
いつも車でさあっと通ってしまう道。矢代宿(やしろじゅく、千曲市屋代)の古い通りです。
手前の家がなくなっていますので、家の間口は狭くても奥に深い造りになっているのがわかり易いと思います。町家作りですね。さらに裏には庭があったりしますから、住宅地図で見るとかなり細長い土地になっています。裏には川が続いています。
下の写真の正面には須々岐水神社(すすきみずじんじゃ)の鳥居が見えます。
現在道路の拡幅工事が段階的におこなわれています。僕らの小さい頃には車がやっとすれ違うことができる程度の道幅だったのですが、だいぶ以前にいったん拡げられました。それでも屋代高校の生徒が屋代駅から通うのに自転車を使いますから危ない道でした。で、車道の脇に広い歩道が作られています。
拡幅工事の進展とともに、当然ながら建物が取り壊され、新しい家々ができています。
昔は商店が並んでいて賑わっていた道です。近くに商店街はここだけでしたのでみんなこの通りで魚を買い野菜を買いお菓子や薬や化粧品を買い、おもちゃや服を買ってもらい、写真を撮り、神社で遊び、本を立ち読みし、貯金をし、農機具を直してもらい、、、生活に必要なもの全てがここにありましたね。商人宿もあって夏には大学生の応援団が合宿に来ていて山の上から大声を出していたものです。
今はお店がほとんどなくなり(ご多分に漏れず郊外の大型店が幅を利かせておりますからね。)住宅ばかりになってしまいました。様変わりというやつですね。どこの町もそうですが、理容店と美容院だけが残っているという通りになるのでしょうか。
さらに裏の川沿いに進んで、まだ通ったことのない道を歩いてみました。いろんな家があって楽しい。狭い道がくねくねと続く。遠くから「市川さ〜〜ん!」と何度も呼ぶかわいい声が聞こえて「まさか自分のことか?」と振り返ると最近ダンボールともだちになったばかりの小学2年生の女の子たちが空き地の向こうから走り寄ってきた。テレビの取材が来て今日も放映されるのだと教えてくれた。「またね、バイバイ。」悪いことはできないぞ、局地的な有名人になっているようだから。さらに歩くと知り合いの方が庭先にいてびっくり。ここがお家だったんだなあ。しばらく体の悪いとこ披露や草取りは大変話やなんかをして気持ちのよい夕方の空気を感じながら帰ってきました。