大学卒業後に5年間住んでいた長野県の飯島町に行ってきました。
S井君が演出する演劇が開催されるからです。
ご存知アニー・サリバンとヘレン・ケラーのお話です。小さい頃「奇跡の人」という映画を見ました。鮮烈な記憶があります。井戸での場面。「water」の瞬間。ヘレン役の俳優さん、凄かった。なんという名前だったかなー。 昨年はお隣の町駒ヶ根市で上演があり知人を訪ねましたが、今回はさらに懐かしい町での公演です。 マチネーの後、午後の開演を待っているとS井君が現れました。
才能のある人が頑張っている姿を見ることは幸福です。 観終わって、僕は感動していました。映画のような透明感とは違いますが、別の感動、今現実に演じている生の生命感が別のロジックの時空に連れていってくれたことに感動しました。簡単に言うと熱演だったからかな。 彼の公演のたびに感じますが、こういう世界に力を注げる彼は幸せだなと思います。関わった人たちみんながそれぞれのビジョンを持って進めていく、つまり未来に続くことを感じることができることは素晴らしいことだと思います。 カーテンコール。両手をいっぱいに上げて拍手しました。感動したこと、次の公演も頑張って欲しいことを伝えたくて。
2時からの上演には時間があったので、昔住んでいた場所に行ってみました。が、様子はすっかり変わっていました。山の中のひっそりとした公営住宅のひとつに住んでいたわけなんですが、今は個人の家が建っていますので、どんな配置だったかも思い出すことができませんでした。なにせ40年も前のことですもんね。 西を見ると南アルプスが迫って見えました。越百(こすも)とか西駒(西駒ヶ岳、向こう側の木曽の人は木曽駒と呼びます。)ですね。
こんな風景を毎日見ていたんだなあと新鮮に感じました。当時は毎日が忙しくて、ゆっくり空を見上げることなんてなかったのかもしれません。でも、大学を卒業して引っ越してきたときに、夜空が黒くて満天の星が広がっているのを見上げて感動したことははっきりと覚えています。 帰り道、二軒目に住んだ住宅があった場所にも行ってみました。建物は新しくなっていましたが、お隣の居酒屋さんとか、目の前の神社とかは今もあって懐かしかったです。道の幅はこんなに狭かったかなあと感じましたけど。時間があったら思い出の場所をあちこちゆっくりと訪ね歩いてみたい。大変だったけど幸福でもあった5年間でした。 S井君のお陰で非日常の体験を色々させてもらいました。