自分の作品を壊すことはよくあることで、作ってる途中とか、素焼き後とか、本焼き後とか、しばらく飾っておいた後とか、何ヶ月後とか。それぞれに理由は違うけど、同じ理由だとも言える。
今日スーパーマーケットで買い物を終えた後、箱に詰め込もうとして手を滑らせて食品のパックを落としてしまった。まるでスローモーションビデオを見ているかのように落下していって、パックが開き、中身は見事に散らばった。生まれて初めて(だ、と思う。)の予想外の展開が信じられなかった。が、すぐに「これを片付けて、同じものをもう一度買わないと。」と思いついたとき、レジの店員さんが「お取り替えします。」と言って、すぐにとんできたコンシェルジュ(?)の店員さんにその旨が伝えられ、だめになったパックは持ち去られ、新しいパックが僕の手に渡った。僕は「すみません。」と言ったり、「ありがとうございます。」と言って、持ってきてくれた新品のパックを箱に詰めた。 その間1分ぐらいの出来事で、当たり前のことのように進んで終わった。対応してくれたのはよく話をする店員さんだったので、手を合わせて「ごめん!」と謝ったんだけれど、彼女は気にも留めない様子を見せてくれた。 ほんとは誰に謝ったんだろう?フロアに散った食品は捨てられたに違いないけれど。作った人には伝わらないんだろう。僕は助かったのだけれど、なんだか違和感があった。 家の中で食べ物を落としちゃったら、「あ〜あ!」ということになって、気まずい雰囲気が流れたり、なんらかのペナルティが与えられたりして、それが引き換えとなって気持ちが治まることになるんだろ〜な。今回はなんのペナルティもなかったぞ。 展示会で作品を壊された経験は何度かある。目の前で事件が起こったときには、みなさん必ず謝ってくれる。生まれた作品のこんな終わり方はなんだか悲しいけれど、仕方ないから「いいですよ。」と言う。いないときに壊された場合は、何か伝えられたことは一度もないけどどうなってるんかな? ことさら文章にするほどのことでもないのだけれど、こういう違和感ってどこへ行っちゃうんだろ〜ナ〜?