
入院中に読んだ本の中に白州正子さんのものがあった。白州さんは骨董好きで知られているが、その師匠は青山二郎さんだという。その青山さんに影響されて骨董好きになった人に小林秀雄さんがいる。白州さんのお話の中にこのお二人がよく登場してくるので少しだけ人となりがわかるような気になっていた。特に小林さんの「美しい花はあるが花の美しさというものはない」という言葉はよく知られいて、僕にとってもつい理屈にのめり込んでしまいがちな自分にブレーキをかけてくれる言葉になってくれている。
帰ってきてふと本棚を見たら「芸術新潮」の小林秀雄さんの特集の号が目に入ってきた。たまたまであるはずだが妙な縁を感じてしまって今読んでいる。
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」をもう一度読みたくなって目を通したが、なにやらこの骨董仲間の見方と相通ずるものがあるような気がしてきた。
小林さんの言葉の「花」を「陶」に置き換えたらどうなるのだろう。解り易い気がする。まだ未消化ですが。
本焼きの合間に草取りを進める。庭に手を入れると手の入った庭になるのが不思議だ。