今日は作品紹介の最終回。自分のを紹介いたします。
タイトルは「Dragon」。東信ジャーナルやパンフレットに書いたコメントを載せます。
「Dragon」ドラゴンは悪の象徴であるといわれる。象徴というのは形になったものだから、ドラゴンは人間の敵である。そもそもドラゴンとは何者か?原始宗教においては、自然や不死の象徴として崇められてきた蛇が神格化したものだという。人間は自然を征服して進歩を望んだ。そうして征服されるべき象徴のドラゴンは悪の象徴となった。はたして今年、征服したはずの自然に我々はしっぺ返しを食らった。

コメントはさらに続けたい。
僕たちが都合よく判断してきたものは「可能になったことは実現しよう」という呪いが下したものだ。海に住むものたちは姿を少しずつ変えているとしても、それは環境に順応していこうとした結果あるいは過程である。人間が共存していくことを考える上では、ご都合主義ではなく「できるけれどやらない」という決断も必要ではないか?全て未来のために。未来の知りうる限りのみんなのために。

今回の展示はスタイルとかどれだけ手を入れたか(あるいは、どれだけ手を入れなかったか)とか自分の制作の延長を意識したりとかとかいうことより、テーマ「Dragon」と展示会のテーマ『紙と土」との折り合いを探る仕事(けっこう探っちゃうものなんです)より積極的に表現したかった。
そう思わせたのはやはり「大震災」あるいは「福島の原発」です。京都での展示会中にもお客さんといろんな話ができました。「思い出すとまだ震えが止まりません。」「あれから不安でたまりません。」「あなたが前を向いていられるのはすぐにやらなければならない目標があるからですよ。」「大地が揺れてるって何もかも考えられません。」、、、。