このところ展示会前ということもあり、窯焚きが盛んです。今日も二基の窯を同時に焚きました。ひとつは「はぎあわせ」の窯、もうひとつは「若草」の窯です。そう、焼くものによって窯を変えます。

これは「若草」シリーズの方の窯の様子です。紅い色が見えますが、中の熱の色です。この時は1250℃でした。炎の色は温度によって変わります。高くなると赤から黄、そして白っぽくなっていきます。
窯を焚くのが楽しみだという時期は過ぎました。じつは窯開けまで不安でしかたありません。焚いている時も「この温度領域でこの時間の長さでいいか?」「この温度の上がり方でいいか?」「還元はこのタイミングでいいか?」など窯の中の作品と自分の経験と窯の様子(おおざっぱにこう言うしかありませんが)とを探りながら決めていきます。経験しかありません。それとて、作るものによってあるいは釉薬の掛け方によってそのほかの違いによってあてにはなりません。
この1月、レストランに頼まれて織部の作品を焼きましたが、釉薬の調整をいじり過ぎて失敗してしまい、お店に迷惑をかけてしまいました。ひと窯分、全部だめでした。もちろん試作品はうまくいったのでGOサイン!だったのですがね。焼いてみないとわかりません。
こんなこと言うと信用されなくなってしまうでしょうけれど、ほんとのことです。陶作家はみんなそうなんじゃないかな?と思います。コンスタントに焼ける人はすごいと思います。