陶の作品を作っているのにその辺の話がなかなか出てこない!というお叱りをそろそろいただくのではないかという不安で夜も眠れないので、、、。
僕のオリジナル技法である「はぎあわせ」についてお話しします。
「はぎあわせ」という名前ですが、実は、いろんな古布を継ぎ足してひとつの着物に仕上げる「接ぎ合わせ」という技法の名前をいただいたのです、勝手に。
愛知県の陶作家「鈴木五郎」さん(僕の大好きな作家です!)は、土で成形した後にそれを割って(パーツに分かれますね)それぞれのパーツをそれぞれ別の手法(例えばひとつは織部で、別のは黄瀬戸で、はたまた引き出し黒で、というふうに)で焼き上げたものを寄せ継ぎ(焼き方の異なる陶のかけらを漆で金継ぎして作品に仕上げる方法)してひとつの作品にする、という方法で制作したりします。これこそ陶による「接ぎ合わせ」ですね。
で、僕の場合は、作品を見ていただくとわかってもらえるかもしれませんが、、、

左の作品を見ていただくと、パーツがくっついているのが見て取れるのではないかと思います。くっつけた部分が濃い色になっていますので境目がよくわかると思います。このデザインによって構成しようというのが狙いなわけです。色がツートーンになっていますが、それは釉薬の違いのよるものです。右の作品は土をくっつけた境目に、コバルトを混ぜた土のつぶつぶを埋め込んで(象眼ゾウガンと言います)あります。かなり時間のかかる仕事ですが。
作り方は以上のようなのですが、最初にこの技法を発想したきっかけは、粗い土の美しい肌合いをなんとかして表したい!ということからでした。この「はぎあわせ」シリーズを使ってくださっている方は、この肌合いを愛してくださっているようです。
今後もこのシリーズのアイテムを無理せずに増やしていきたいと思っています。