先日の◯△▢会の打ち合わせ会で、T君が退会した。
ずっとこの会で活動してきて、僕の入会のときに誘ってくれた人だ。
この会の展示会は、前回でも書いたように、作品の販売会ではない。ここに作品を発表するのにはけっこうパワーが必要だ。一年前にテーマを決めてそれぞれが自分の中で発想から構想、制作へと少しずつ進めていく。そうやってできあがった作品を人が買ってくれるとは限らない。いや、むしろそれより遠く離れた物になるだろうことは予想し易い。
子育て世代の作家はこどものためにお金が必要だから、制作時間はできるだけ販売できる作品を作ることに遣いたい。だから、生まれてきたアイデアをゆっくりと温め育てていく時間を持つ余裕がない。人に与えられた一筋の時間の流れを器用にぶつ切りにしてあっちの仕事、こっちの仕事と配分するのも難しい。
この苦しみ(したい仕事があってもできないこと)はなにも子育て世代の作家ばかりのものではない。僕にとっても同じこと。生活のぎりぎりでやっているのだから。今のような世の中だからなおさらだ。
しかし、なんとか頑張らねばならない。器用では決してないが時間のぶつ切りをやってのけなければ。
T君に声をかけた。「またいつか一緒にやろう。」何人かの仲間がそれを追ってそれぞれの思いで言葉をかけた。T君がこの会に戻ってくるまでやり続けていることができるかもわからないが、ぜひともがんばって待っていなければ。
今共有しているこの苦しみを解決するか和らげることができるか、僕らにできることはないのだろうか。