僕の住んでいるところから車で10分ほど走ったところに「森」という地区があります。
ここはお隣の「倉科」地区とともに「あんずの里」と呼ばれていて、4月上旬頃から桜より少し濃いピンクの花を咲かせる杏が山の傾斜にも高台の上にも里の畑にも道の両脇にもたくさん植えられている村です。春のその時期に訪れる人は多く、桃源郷のようなその様をみなさんが楽しんでいます。
その集落の中に「杏の里板画館(あんずのさとばんがかん)」があります。

板画館の入口です。
この建物には語るべき歴史がありますが、現在ここを住居としているのは木版画(板画)の作家です。二階はギャラリーになっていて、彼の作品の展示をしたり陶作家や染織り作家の作品を展示したり大勢の集まりに使われたりしています。冬の間は休館です。春の陽射しがうらうらとしてきた頃に開館になるようです。

座りこんでカバンの中をごそごそしているのがこの家の主人で板画家のM氏です。これから僕と出かけるところで、その準備をしているところですね。
このM氏、いろんな横顔をお持ちなのですが、関わりの中で僕にもわかってきたことは、少年時代からかなりの文学少年〜青年〜???だったようだということです。
人への入口はいろいろあると思いますが、僕のM氏への入口はただこのことひとつです。そう考えるとこの人の活動が見えてくる気がしているのです。
M氏も僕も千曲市のアートシーンを盛り上げていこうとしているところです。