もう何年になりますかね。そう、十何年、およそ二十年近くになりますナ。大阪で展示会をするようになって。
そのときにお世話になったKさんと飲みに出かけた。彼は今では社長さんになっている。4年ぶりぐらいだ。
彼の若い頃の苦労話を聞いた。そうとう修羅場をくぐってきたようだ。自分には考えられないような経験を積んできたそうだ。彼とはほとんど同世代だ。人の人生とは自分とはかくも違うかと実感する。
彼の贔屓のお店で飲んだ。「牧水」と言う。
えつこさん、である。
嵐山光三郎さん曰く。鮨屋のカウンターに座って、何も言わなくともすーっと出てくるようになりたい、と。彼(Kさんのこと)にとっての、そういうお店のようだ。
じつにどうでもいいことなのだが、そういう望みを持って暮らすこともすてきだと思う。じつにくだらないことだが。